2017年4月23日日曜日

石神井公園とみそ汁

大学の頃(昭和50年代前半)のことである。私を含めた我々3人は、その日ちょっとした気まぐれで、石神井の友人の家へ遊びに行った。みんなでどこかへ遊びに行こうと誰かが言いだした。どこかに遊べるような公園はないのかと尋ねたところ、近くに石神井公園と言う結構大きい公園があるという。われわれは、ぞろぞろと石神井公園へ向かったが、あまり近くではなかった。

石神井公園では何が楽しいのか訊いたところ、ボートがいいという。我々4人はボートに乗ったのが間違いだった。4人の内2人はスポーツをしていないので貧弱であった。私はバスケット部で石神井公園に住んでいた友人は空手部だったので、主に2人でボートを漕いでいたが、若い連中である、どのくらいスピードが出るのかと言いだした。空手家はスピードはすごいが方向感覚が無茶苦茶で最後にアベックのボートにぶつけてしまった。バスケット部の私はまっすぐにしか進まず、しかも空手家より速いスピードだったが、最後に浅瀬に乗り上げてひっくり返った。ボート屋のおっさんにおこられた。「ボートにのるな!」

我々は友人の下宿まで帰ってきた。何でもバスケット部はものすごく速かったが、水しぶきも半端ではなかったらしい。みんなはずぶ濡れだったが、幸運なことに、私は足しか濡れていなかった。
とりあえずズボンや服を洗ったが、着替えがないので銭湯にも行けずそのまま寝た。
翌朝、私が目覚めたのが6時頃だった。私のズボンは何とか乾いていた。ズボンをはくと、料理を作ろうとしたが、いくら探しても米と味噌と卵1個しか見つからない。何も作れんなと思ったが、とりあえず米は炊いておくことにして、みそ汁の具を捜しに石神井の農村地帯に、出かけた。

大根でもあればよかったのだが人参しかなかった。車の通りも多かったが、2本ほど細い人参を抜いて持って帰った。人参のみそ汁を作ったがあまりおいしくない。原因は分かっている。だしを取らなかったからだが、だしにするものがなかったからでもある。卵はといて入れたのだが量が少なく、よく見れば入っているというものだった。人参もこういう状況なので、皮はむいたが柔らかくなるまでには、火が通っていなかった。それでもあまり文句を言わずに食べていた。私は不味かったのであまり食べなかった。


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