2017年3月5日日曜日

呪いが始った日

それはとある秋の日のことでした。

会社から帰宅した私は応接室でゴロゴロしてテレビを見ていました。私はまだ結婚していなかったので実家で暮らしていましたが、不遜の弟はすでに結婚して、実家を出ていました。その時の家族は父母と祖母と私の4人でした。父はいわゆるマザコンで祖母の傍らから離れません。母は食事の後片付けをした後、居間で何かテレビを見ていました。祖母は元気で認知症にもなっていませんでしたが、奥の間と食堂とトイレと居間ぐらいしか動きません。それでもなぜか元気で、「私は百まで生きる」と豪語していました。結局93歳で亡くなりましたが。

その日は秋の気配が濃くなり、窓を開けてごろごろしていた私にとっては、少し寒かったので窓を閉めました。お菓子を食べながら私は何かの番組を見ていましたが、すでに何を見ていたのかは思い出せません。あんまりおもしろくなかったのだと思います。チャンネルをガチャガチャやっていると野球中継が目につきました。

私は野球があまり好きではありません。テレビで見ることもありません。スピード感もなくスポーツと言いながら、時間の半分はベンチに座っているということ。守るときはピッチャーとキャッチャーは忙しそうだが、あとはそのように見えないこと。本当は忙しいかも知れませんが、忙しそうには見えませんよね。

野球中継はヤクルト-阪神戦。阪神が引き分け以上で20何年ぶりかの優勝が決まるという試合。このチームほぼ四半世紀も優勝してなかったんかと思いながら見ることにしました。8回か9回か忘れたが、アナウンサーも解説者も興奮して何を言いたいのかよく分からない中、阪神タイガースが優勝しました。

大阪の阪神ファンはバカさわぎ。次々と道頓堀川に飛び込み、溺れる人も出る始末。そのうち誰かが、ケッタッキーフライドチキンの前においてあったカーネルサンダースを、投げ込んで喜んでいました。

この日、関西で有名な都市伝説、カーネルサンダースの呪いが始まった日になりました。

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