2017年2月20日月曜日

火山による被害

日本には火山が結構多いですね。以前は、活火山、休火山、死火山の3つに分類されていましたが、活火山の定義が、「現在活動中の火山」から、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」に変更されたことによって、休火山が活火山に入れられました。現在、日本の活火山は110ほどありますが、火山噴火予知連絡会の「活動度による分類」では、A・B・C・対象外の4つに分類されています。富士山はランクBとなっていますが、南海トラフ(駿河トラフ)によって起こる(かも知れない)東海地震と連動して噴火する可能性があるんじゃないか?と考えられています。
宝永地震の時に富士山が49日後に噴火したからですが、今度も起こるかどうかわかりません。図の通り駿河トラフは富士山方向に延びています。陸上部に線がないのは富士山の火山堆積物に覆われて地質が不明なためで、海岸線で断層が途切れているわけではありません。

なお紫の範囲は東海地震の予想範囲です。浜岡原発がほぼ中心になっているのが不気味ですね。よくこんな大地震の多いところに原発を建てたものです。

さて、この図を見て不思議なことに気づきませんか?駿河トラフとその東にある相模トラフは富士山辺りで交わっているように見えますよね。
駿河トラフは、東海地震、東南海地震、南海地震を起こした南海トラフの東端ですし、相模トラフは関東大震災を起こした海底断層です。また、伊豆・小笠原・マリアナ島弧という火山列島の一番北に当たります。

地震も怖い自然災害ですが今回は火山について述べてみましょう。雲仙岳などいろいろな火山の災害報道がなされていますが、実際にはどのような現象が危険なのでしょうか。

火山熱雲
溶岩ドームや溶岩流の先端から発生する高温高速の爆風のことです。特に火口に溶岩ドームが形成され、高圧のガスが下向きに噴出する時が危険で、音速を超えるものもあるらしいです。さらに範囲が数百平方キロと非常に広範囲にわたるため大被害がでます。日本では火砕流と混同されていますが速度に大きな違いがあり、ガスは高温の無酸素ガスですから、数秒で失神、死亡に至り、熱雲通過箇所は、高速の熱風で吹き飛ばされるか、焼けるかして、熱風の堆積物以外は何も残らないといわれています。日本での例はあまりありませんが、海外では数万人が一瞬で死亡するといった災害が起こっています。

火砕流
雲仙の災害で有名になった現象で、発泡したマグマの破片が火山ガスといっしょに一団となって下るものです。数10%の不純物(火山礫や固結したマグマ・その辺の石や砂など)を含み、速度は秒速100mほどですが、かなりの高温・高速ですので、雲仙以外にも各地で被害の記録があります。

火砕サージ
上昇するエネルギーの直角方向に向かうガスの動きで火山ガス中心の火砕流といったものです。
速度は火砕流と同程度ですが、発生源から3km程度の範囲でしか分布しません。

火山ラハール
火山性の土石流又は泥流のことで、日本でもあちこちで見られます。火砕流とは違い水が中心となり、水底の岩石等を巻き込んでいます。水流と地形によって速度は変化しますが、大体20km/h以下です。マラソン選手ぐらいと思えばいいです。堆積物が多く、堰き止め湖を作ることもあり、被害は噴火時にだけ起きるものではありません。

溶岩流
溶岩が地表に流出する現象で、通常は爆発を伴いません。玄武岩質の溶岩(固まれば黒い石)が溶岩流を作ります。安山岩質の溶岩(中間色)は塊を作りながら流れます。流紋岩質の溶岩(白っぽい)はは溶岩ドームを作るのが多いです。富士山のような成層の構造を持った火山は安山岩質のものが多いです。

火山灰
爆発と同時に舞い上がった灰が降下してくるもので、小石とかも混じります。富士山が噴火した場合は、房総半島まで降灰が見られると考えられています。

火山の有効利用
ちょっと話は変わるのですが、火山にはこのようにエネルギーを放出しても、なお有り余るエネルギーが存在しています。噴火火山及びそれに伴う温泉などの熱エネルギーは膨大で、しかも火山は数百年・数千年単位で噴火を続けますので、半永久的なものです。火山の熱エネルギーで発電所を作るのは可能かと思います。電力会社は、原発のような危険なものはやめて、火山・温泉エネルギーの有効利用を考えて下さい。まあ、噴火の被害を受ければダメですが・・・。



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